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認知症委員会からの活動報告

 2月のブログ担当は認知症委員会です。

 認知症委員会では、入居者様の生活状況を見ながら、ケアをしていく事でもっと日常生活に楽しみを見出すことが出来ないか?身体状況の改善が出来ないか?を毎月委員会を開催し、検討してきました。

 検討した内容については、各部署に持ち帰り、職員に伝達、実施、改善の有無及び課題、対応策をあげ、次回の委員会に持ち寄ってケアを評価・検討し、認知機能の改善を目指しました。

 平成29年11月~平成30年2月までと期間は短かったのですが、取り組みの結果、状態改善がみられたので紹介します。

<当時の状況>

 ベッド臥床が多く、帰宅願望が頻回にあった。車椅子に移乗し、リビングで過ごして頂くが、傾眠傾向であった。

 ベッドからの離床を促し、食事以外に10時・15時にコーヒー等の飲み物と新聞を提供したが、初めのうちだけは読まれるが、後にウトウトされる。

<取り組んだ内容>

1 傾眠傾向とならないために何かないか?

(対応策)

 読書を好まれるため、自宅から本を持参していただいた。お茶を提供する時は、必ず本を居室から持参していただいた。その事で、読書に集中され傾眠傾向なく2時間ほど過ごされるようになった。計算問題は3ケタのたし算はほぼ正解される。

 1月頃から、ベッド⇔車椅子の移乗動作が見守り~軽介助でできるようになられた。

 食事もムセがあったり摂取時間を要していたが、介助なしでムセもなく摂取時間も早くなっている。意欲が出て行動が活発になられた印象がある。

 車椅子も全介助から足を使って自走されるようになられた。

 食堂でも自分から声掛けをしたり、入居者様と歌を歌ったりされている。

 

2 集中されるが、読書・計算問題だけでなく他に楽しみになる物が何かないか?

(対応策)

 英語の教師でいらっしゃたので、動物の絵と英単語を入れたカードを作成し、絵を見て発音していただいた。また、単語をノートに記入していただいたところ、どんどん意欲がみられるようになった。

 そこで、英文問題(過去問題)を回答して頂いた。プリント1枚問題に取り組まれ、ほぼ正解であった。2枚目になると、さすがに疲労感みられ、取り組むことはなかった。

 提供する物(計算・小説本・英会話・英文問題)が増えた。

 また、歌は好まれるため、引き続き一緒に歌ったり、ゲームへの参加を促す。

 

 以上のように、意欲的になられ、楽しみが増えたと思うが、反面、問題が生じた。

<問題点>

1 集中して取り組んでいただいているが、車椅子座位の時間が長くなった事で、臀部の圧迫による皮膚トラブルが発生するようになってしまった。

2 車いす乗車が長くなると、臀部が前方へずれが生じてしまう。

 <対策>

1 食堂で過ごしていただく時間を短くするため、声かけしベッド臥床を促す。

2 車いす用のクッションを変更する予定。

3 ずれがある時は、自分で臀部を持ち上げ除圧と姿勢を整えていただくよう、声かけする。

 

 以上のように、毎月、委員会を開催し、状況報告と対応策を検討するに当たっては、ご本人様の生活歴を知ることがとても重要でケアを考える上でヒントとなりました。入居者様一人一人の楽しみある生活のお手伝いが出来る様にこれからも職員一同頑張っていきたいと思います。